2024年5月 定員内不合格問題の当事者、関係者の方々と面談
5月8日、舩後議員は今年の高校受験でかかわった千葉県の障害のある受験生とその親御さん、支援者の皆さんと面談しました。
4月18日の参議院文教科学委員会の質疑でも取り上げた、望月一希(もちづき・かずき)さんは、1.5倍の受検時間延長の合理的配慮が認められ、実力を出し切って合格。その一方で、濵野こゆき(はまの・こゆき)さん、米田陽紀(よねだ・はるき)さんは、高校が求める基準に達していないと、定員が空いているにもかかわらず不合格とされました。
こゆきさん、陽紀さんのお母様からは、中学でどんなに楽しくみんなと一緒に学び、過ごしてきたか、授業や試験ではどんな工夫や合理的配慮がなされてきたか、写真を見せながらお話いただきました。
しかし、中学を卒業して高校に行けない今、友達と切り離され、どこにも行く場所がない孤立感と寄る辺なさから、不安な毎日を送っているという辛いお気持ちを伺いました。
一方、望月一希さんのお母様からは、充実した高校生活についてお話がありました。中学の時とは違い、高校では一人の大人として扱われ、学校生活・授業の合理的配慮について、親とではなく一希さん本人と話し合って決めているということでした。
また、今回の面談には、8年間で27回(内25回は定員内)不合格とされ、28回目の受験を前に2019年11月に急逝された渡邊純さんのお母様も、純さんの遺影と共に参加されました。純さんは医療的ケアが必要で、当時高校で看護師配置が難しいと言う県教委に対し、舩後議員の介助リーダーで訪問介護・訪問看護事業所を経営する佐塚みさ子さんが間に入って、高校への訪問看護師派遣の調整をしたといういきさつがありました。
舩後議員は、純さんの無念さを思い、涙を浮かべながら「私は、純さんのような悲しい想いをもう誰にもしてほしくはありません」と語りました。そして、義務教育終了後、98%以上の子どもが高校で学ぶ現在、高校で共に学びたいという子どもたちの願いを、定員があいているのに拒否することは、国民的な教育機関として授業料無償化されている公立高校としては、あってはならないという考えを述べました。
その上で、この秋の再募集に挑戦するこゆきさん、陽紀さんを激励し、先日の文教科学委員会での大臣答弁をもとに、全国的に定員内であればすべての子どもを受け入れるように文科省の対応を促していくことを約束しました。
親御さんからは、自分たちの苦しみ、辛い想いを丁寧に聞いていただけたことが何よりもありがたく、また文科省への働きかけが、秋の受験に向けての励みになったという言葉をいただきました。
面談後、舩後議員が発言内容を読み取ってもらうのに使う文字盤に興味津々の陽紀さんに、舩後議員は文字盤を贈る約束をしました。人と人とのコミュニケーション、理解し合うための営みに関心を寄せる陽紀さんを排除した高校に対しては、一体試験で何を測っているのかと、疑問がわいてきます。