2024年12月23日 参議院政治改革特別委員会質疑

○舩後靖彦君

れいわ新選組、舩後靖彦でございます。本日もよろしくお願いいたします。

冒頭、前回時間切れでやり残した質問からスタートさせていただきます。

お金の掛からない政治をテーマに、諸外国より高い供託金について各法案提出者に問題意識をお聞きしましたが、高い供託金と同等の選挙公営制度があるとの御答弁をいただきました。公営掲示板ポスター、選挙運動用ビラ、選挙運動用はがきの印刷費や、事務所、選挙運動用自動車の看板などに選挙公営が適用されることは承知しておりますが、衆議院議員小選挙区選挙では、得票率10%を下回ると公営は行われません。供託金没収と合わせて、候補者は多額の負債を抱えることになります。

そして、選挙運動に関わることで組織力を持たない候補者に大きく負担になっている実務が、選挙公営制度と大きく関わっています。

まずは、選挙運動に関わる運動員は、公選法で認められた一部の人以外は全員報酬を支払うことはできません。ボランティアで行わなければいけない実務の中には、公営掲示板へのポスター掲示や選挙運動用ビラに証紙を貼る作業も含まれています。衆議院議員小選挙区選挙では、2000か所以上の掲示板にポスターを貼る必要がある選挙区もあります。また、選挙運動用ビラは7万枚、候補者届出政党分も加えれば11万枚、それら全てに証紙を貼らなければ街頭などで頒布することはできません。

れいわ新選組はこういった実務を全てボランティアさんが担ってくれていますが、ほかの政党は企業や労働団体の方が仕事を休んで手伝ってくれるのだと聞いています。休暇扱いで選挙運動に参加していても、その休暇が有給か無給かは部外者には分かりません。当選した議員が選挙運動を支援してもらった企業や団体に忖度し、政策がゆがめられてきたのが今の政治状況です。

そうした癒着を断絶するためにも、選挙公営制度は見直すべきだと声を大にして訴えます。公営掲示板は選挙管理委員会が全ての候補者のポスターを一括で掲示すれば済みますし、証紙に代わるものをビラに印刷する仕組みをつくればよいだけの話です。

選挙公営制度改革に対する考え方を各法案提出者にお伺いいたします。

○衆議院議員(小泉進次郎君)

舩後委員から御指摘の点、前回の積み残しということでお答えをさせていただきます。

今御指摘のあった選挙制度の在り方というのは、やはりインターネットの中での選挙運動がこれだけ自由に行われてきている中では、やはり変えるべきものは変えるということが大事だというのはそのとおりだと思います。一方で、今ポスターの話から各党各会派の議論が進んでいるというふうに聞いておりますけれども、このポスターの問題でも、選挙制度という各党共通のインフラづくりは非常に調整、また合意形成、時間が掛かるというのも現実です。

その中で、今、舩後委員から御指摘のあったような点についても、いかに、こういった特別委員会なのかほかの場なのか分かりませんけれども、やはり時代の変化のスピードが激しいものですから、不断に見直しをするための精力的な議論が行われるべきだと。その上で、成案を得たものから次々に実現をしていく、そのことによって一人でも多くの方が選挙に、政治に参加しやすい環境をつくるというのは非常に大事なことだと考えております。

○衆議院議員(井坂信彦君)

公営掲示板のポスターとか選挙運動用ビラに人手が掛かり過ぎるのではないかという問題意識は、私も舩後議員と同じように持っております。

例えばポスターなんかは、この間の東京都知事選挙では、もうそもそも貼る場所が1万4000か所ある、また、途中で更に掲示板のスペースを増やさなければいけなくなって、クリアファイルを横に張り付けるようなことになったなどなど、かなり問題も明らかになってきております。

このポスターの問題に関しては、例えばさっきおっしゃったような公的機関が一括で貼り出すような案のほかにも、デジタルサイネージを利用して電子的に各候補者は提出をするなどなど、様々な案が識者からも出されております。また、選挙運動用ビラに関しても、これは候補者間で公平に枚数を、同じ枚数にするために、今は証紙を7万枚とか11万枚とか貼る膨大な作業が必要とされております。

こういうことも、やはり選挙にお金が掛からない仕組みにするということは我々も大変大事だと思っておりますので、時代の変化や選挙の実態、また技術の進展などなどを受け止めて、各党会派で不断の見直しを行っていく必要があるというふうに考えております。

○衆議院議員(中川康洋君)

お答えを申し上げます。

本日は、衆法第11号提出者として、公明党側から答弁をさせていただきたいと思います。

選挙公営制度は、お金の掛からない選挙のため、また候補者間の選挙運動の機会均等、これを図るために採用されている制度と認識しており、これそのものは重要な制度であるというふうに考えております。

しかし、例えば、今、先ほども御指摘をいただきました、立候補を届け出た際に選挙管理委員会から渡されるまさしくこの証紙については、上限を超えるビラの配布を防ぐために証紙は必要と、ではありますけれども、その証紙を貼ることに相当な時間と労力を要している、こういった実態もあるわけでございます。

現在はSNSの時代であり、特に若い方等を見ますと、この規制があるビラを見るよりは、やっぱりSNS等で候補者の情報を得て、そして投票先を決めていく、こういった方が多くなっているのではないか、このように我が党としても認識をしております。

このようなことを踏まえまして、やはりこの時代に即した証紙の在り方自体も含めたこの選挙公営制度、これは検討されていくものというふうに考えております。

以上でございます。

○舩後靖彦君

ありがとうございます。

続いて、第三者機関の設置について質問させていただきます。

衆議院では、国民民主党、公明党提出の政治資金監視委員会等の設置その他の政治資金の透明性を確保するための措置等に関する法律案に、自民党、立憲民主党、日本維新の会が賛成し、可決されました。この法案では、政治資金監視委員会を国会に設置すると規定しております。さらに、委員長及び委員は国会議員の中から広い経験と知識を有する者のうちから任命するとしています。

裏金議員が含まれる国会議員の中から政治資金監視委員会の委員を選ぶということは、泥棒に泥棒を監視させる人を選ばせるという国民からの批判は免れないのではないでしょうか。

れいわ新選組は、本年4月から一貫して、第三者機関を与党も野党も茶番の国会に設置すれば政治資金に関する十分な監視は行われないため、より独立性が高く、権限を持つ三条委員会を置くべきと主張してきました。

法案提出者にお聞きします。政治資金監視委員会を三条委員会としなかった理由を具体的にお示しください。

○衆議院議員(中川康洋君)

御質問いただき、ありがとうございます。

これも、11号衆法提出者を代表して、公明党側から本日は答弁をさせていただきます。

この件につきましては、衆議院側でも幾度となく御党から御質問をいただいたものでございます。この私どもが今回法案に盛り込んでおります政治資金監視委員会は、まさしく収支報告書の記載の正確性に関する監視及び政治資金の制度に関する提言、このようなものを行うとし、これらに必要な調査及び研究を行うというふうにもしております。これらの事務につきましては、行政からも政治からも独立した第三者機関において実施することが適切であるというふうに考えております。

そこで、今回の議論の中では、まさしくこの第三者機関を行政府に置くのか、さらには国会に置くのかというところが議論がございました。そういった状況の中において、我が党は、今御指摘をいただきましたとおり、当初は行政府においての三条委員会ということも検討していた、これは事実でございます。しかし、重要なのは、行政からも政治からも、先ほども申し上げましたが、独立した機関として何をどのように監視するのかということでございまして、我々は、その設置場所ありきではなく、やはりこの目的、さらには趣旨、さらには権限、これがしっかりと機能すること、これが大事であり、その上での設置場所であるというふうに考えておりました。

そういった中において、本日既に答弁もさせていただいたところでございますが、先般12月5日の予算委員会での我が党の同僚議員の質疑及びそれに対する答弁において、私どもが委員会の権限、機能として求めていた、まさしく調査、是正、公表が国会においても機能する、国政調査権の下でですね、機能する、このように判断をしたところでございます。

さらには、今回、私ども国民民主党さんと共同提出をいたしておりますが、国民民主党さんの法案の中には提言機能というのがございました。私どもの中には提言機能というのがなかったわけでございますが、やはり、この第三者機関が提言をする機能、これを持たせることは大事だろうという認識に我が党が立ったわけでございます。

さらには、我が党の中には、照会、相談機能、これを有していたわけでございますが、この件については国民民主党さんの案には当初はございませんでした。ここも国民民主党さんに御理解をいただき、そういった内容を付した状況でございます。

そういった中から、今回、いわゆる国民民主党と私ども公明党の共同の提出に至ったということでございます。御理解を賜ればと思います。

以上でございます。

○舩後靖彦君

ありがとうございました。

私も三条委員会について調査しました。いわゆる三条委員会とは、内閣府設置法第六十四条及び国家行政組織法第三条に規定されている委員会をいい、それ自体として独自に国家意思の決定を行い、外部に表示する機関であるといいます。公正取引委員会や国家公安委員会、公害等調整委員会がこれに当たります。政治資金監視委員会を三条委員会とすることで、三条委員会が、独自の意思で監査が行われ、それを外部に表示できますので、国民にとってはより信憑性のある監査結果が得られると考えます。

こうしたれいわ新選組の考え方に関して、法案提出者の御意見を拝聴させていただきます。御答弁をお願いいたします。

○衆議院議員(中川康洋君)

御答弁を申し上げます。

先ほどの件につきましては、我が党も当初はまさしく三条委員会という考え方を持っておりましたので、その考え方そのものは賛同する立場でございます。

しかし、党内の議論、さらには各党協議会の議論の中において、やはりこの行政府に置くことによって、我々は実効性ある機関、内容というふうに思っておったわけですけれども、やはりその、何というんでしょうか、国会議員のこの収支報告書とか、この行政府の下の監視下に置かれることに対して様々な意見があったことも事実でございます。これは、実は私どもが党内で議論しているときにもそういった意見というのはございました。そこをやっぱり拝していくこと、これも重要ではないかというふうにも考えていたところでございます。

そういった状況の中において、先ほども申し上げましたが、12月5日の総理答弁があり、国政調査権の下においても、これ今後の議論にはなりますが、調査、是正、公表といういわゆる実効性のある権限を持たせることが可能であると。そして、やはりこの国会に置くことによって中立性が保たれるというようなところ、そういったところも認識をし、今回はこういった法案を提出させていただきました。

しかし、御党がお考えとして持っております三条委員会を全て否定するというものでは全くございません。

○衆議院議員(臼木秀剛君)

御質問ありがとうございます。

我々国民民主党もさきの通常国会からこの第三者機関を設置を提案をしておりますが、我々は一貫して国会に設置すべきと考えて提出をさせていただいております。

先ほど、三条委員会に置くことも必要ではないかという御指摘がありましたが、三条委員会といえども、緩やかな行政権の服した機関でございますので、必ずしも行政権に服した機関による規制を国会関係、いわゆる立法府が受けるということが三権分立の観点から果たして適切であるのかという議論も党内でさせていただきました。

そういった観点から、やはり憲法上の様々な懸念点含めて、我々としては国会に置くべきだと考えて、今回法案を提出させていただいております。

○舩後靖彦君

ありがとうございます。

再度、政治資金監視委員会等の設置その他の政治資金の透明性を確保するための措置等に関する法律案について、素朴な質問をさせていただきます。

本法案の趣旨説明では、委員会は、国会議員関係政治団体の収支報告書内に虚偽の記入があると認めるときは、当該収支報告書の訂正をさせるために必要な措置を講ずることができるものとするとしています。

私の事務所でも毎年政治資金収支報告を提出しておりますが、記載にミスがある場合は総務省又は各都道府県選挙管理委員会から指摘があり、それを訂正して再提出することになります。この法案の条文を読む限り、現在総務省などが行っている措置を政治資金監視委員会が代わってやるだけで、虚偽記載などの撲滅に何ら効果がないと思えてしまいます。

私の理解が間違っているのでしょうか。法案提出者に説明を求めます。

○衆議院議員(臼木秀剛君)

御質問ありがとうございます。

先ほど、それぞれの収支報告書の中身の確認ということで御指摘をいただきましたが、現在、都道府県選管ないし総務省の方に置かれている政治資金適正化委員会、こちらで確認しているのは、あくまでも形式的な審査にとどまります。領収書と記載の内容が合っているのか、また領収書の記載の形式が正しいのか、こういったものの確認にとどまっているわけですけれども、我々が今回提出させていただいた政治資金監視委員会につきましては、その中身、実質的なところも含めて審査、監視を行うという機能を持たすこととしておりますので、必ずしも全く一致をしているというわけでもありませんし、むしろ具体的な確認につきましては、我々が提出させていただいた、提案させていただいている政治資金監視委員会の方がより広い権能、権限を持っているものと考えております。

○舩後靖彦君

次は、政治資金規正法等の一部を改正する法律案に対する修正案について質問いたします。

れいわ新選組は政治資金パーティーそのものを禁止すべきと主張してまいりましたが、本法案は、外国人、外国法人などによる政治資金パーティーの対価支払の禁止を定めるにとどまっています。また、対価支払の禁止には、特例上場日本法人を除くとなっています。

発議者にお聞きします。

特例上場日本法人とはどんな法人なのか、その数は何社あるのか、特例上場法人を対価支払禁止の対象から外したのはなぜなのか、国民の皆様に分かりやすく御説明をお願いいたします。

○衆議院議員(大野敬太郎君)

御質問ありがとうございます。

我々は、先ほど来累次お答えをしているとおり、政治資金パーティーを禁止するとか、それだけしないとかではなくて、多様な考え方の多様な担い手による多様なこの政治資金というのの確保によって、政策がゆがめられないような、そういった国民本位の政党をつくるべきだという観点に立っておりますので、まずはその政治資金パーティーを禁止をするということは考えていないということであります。

その上で、外国人あるいは外国法人等に対する禁止ということは、これは先ほども申し上げましたけれども、外国勢力からの不当な影響力行使を未然に防ぐということは、この今の時代、確実に必要なのであろうという観点で導入を今回させていただいた措置であります。

その中で、御質問の中で、この特例上場日本法人って何ぞやというお尋ねをいただきました。これ、まず第一に、外国人あるいは外国法人等、あるいは日本法人であっても株式を半分以上外国人によって保有されているような法人であれば基本的には禁ずるというふうに前提に立った上で、なおも日本法人であって、外国の、その株式を半分以上保有しているような者で、かつ5年以上日本の中で上場している会社というのをこの特例上場日本法人とさせていただいております。

○委員長(豊田俊郎君)

時間が参っておりますので、簡潔におまとめください。

○衆議院議員(大野敬太郎君)

この部分は基本的には寄附と同じルールにさせていただいておりまして、寄附以上に禁止するというのはおおよそ合理性がないということで、この結論をさせていただいた次第でございます。

○委員長(豊田俊郎君)

申合せの時間が参りましたので、質疑をおまとめください。

○舩後靖彦君

ありがとうございました。終わります。