2025年4月21日 参議院予算委員会質疑(消費減税、トランプ関税について)
○委員長(鶴保庸介君)
次の質疑者の舩後靖彦君の発言席の準備をしておりますので、しばらくお待ちください。
次に、舩後靖彦君の質疑を行います。舩後靖彦君。
○舩後靖彦君
れいわ新選組、舩後靖彦でございます。
本日は、7分間という短い時間ですが、トランプ関税に対する日本の対応がどうあるべきかということについて質問いたします。
まず、消費税です。
関税交渉の推移のいかんにかかわらず、消費税は廃止し、最低でも5%への減税が必要です。自公でも減税の声が上がっていましたが、党幹部に封じられました。消費者だけではなく、中小企業を守るためにも必要です。
総理、森山幹事長に直ちに補正予算編成、消費税減税で党内をまとめるように指示すべきと考えますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(石破茂君)
成立させていただきました令和7年度予算、これの執行が始まっておるところでございます。政府といたしまして、補正予算、経済対策について検討しておるという事実はございませんが、常に適切な対応を取ってまいりたいと考えております。
急速な高齢化に伴い社会保障給付費が大きく増加するという状況でございます。全世代型社会保障制度を支える重要な財源と位置付けられておるのが消費税でございまして、7年度予算の地方交付税分を除いた国分の消費税収が20.1兆円、それに対しまして、国の社会保障4経費、これは34.0兆円ということで税収を大幅に上回っており、その結果として13.9兆円を国債などで賄っておる状況でございます。
そういうようなことから考えまして、これを廃止すること、引下げを行うこと、これは適当ではないと考えておるところでございます。
○舩後靖彦君
次に、日本の対応について、四点のこれだけはやってはならないという内容に絞って申し上げます。
やってはいけないことの一番目は、総理の早期訪米です。
関税交渉では、日本が列の先頭にいると、ベッセント財務長官は日本に対して早く交渉に参加するように呼びかけています。しかし、70か国もある交渉相手国の動向が分からず、しかもトランプ大統領自身の態度が二転三転している中で、この中に総理が突っ込んでいくのは得策ではありません。4日に開催された党首会談後の記者会見において我が党代表山本太郎は、何かしら情に訴え許してもらえと、それは絶対やっちゃ駄目、毎回脅しを掛ければ何かが取れるとなれば、毎回ゆすりに遭うと述べ、石破さんが静観しているのは正しいと述べています。
トランプ関税交渉において日本は絶対に列の先頭に立つべきではないと考えますが、総理はいかがですか。間違っても、連休前後に訪米したりはしませんよね。約束してください。
やってはいけないことの二番目は、自動車での譲歩のために農業を犠牲にすることです。
2019年の交渉では、中国が買わなくなった農産物、トウモロコシが押し付けられました。また、今回、以前の約束を破って米国は自動車に25%の追加関税を課しました。むしろ、農業者の所得底上げのための財政措置が必要です。自動車のために農業を犠牲にすることはなりません。
やってはいけないことの三番目が利上げです。
トランプ政権は、自国通貨安、つまりドル安誘導を求めてくるのではないかということが予測されます。既に自然と円高方向に進んでいる中で、利上げをして円高に誘導するのは中小企業の資金繰りなどに対する悪影響が考えられ、倒産を加速させるので絶対に行うべきではありません。そんな要求は突っぱねるべきです。
やってはいけないことの四番目は、対中包囲網の構築への更なる協力です。
先月、米国防長官が来日した際に、西太平洋で有事に直面した場合、日本は前線に立つことになると発言し、公然と戦争の準備と覚悟を求めています。米中のはざまに立つ日本が、米軍の二軍として中国包囲網に肩入れするのは得策ではないと考えます。
以上の四点のやってはいけないことについて、総理はどう考えますか。
○内閣総理大臣(石破茂君)
訪米の時期についての御指摘でありますが、これは最もふさわしい時期に訪米をするということに尽きます。で、もう慌てて行くというようなことをするつもりはございません。最もふさわしい時期を判断をさせていただきたいと考えております。
自動車のために農業を犠牲にするなという御指摘でありますが、それは当然そうでございます。自動車を守るために農業を犠牲にするというような考え方を全く私どもは持っておりません。
利上げをするなということ、この手の政策については政府からあれこれ言及はいたしません。また、そういうような財政政策も併せまして、明日から加藤財務大臣が訪米をするということになっておりますが、政府としてよく注意をしながら交渉してまいりたいと考えております。
対中包囲網、これは安全保障政策についてでございますが、対中包囲網に加担をするなということは、それはそういうことに加担をするというよりも、いかにしてこのアジア地域において中国が急速に軍事力を拡大しつつあるという情勢を認識をしながら、いかにしてこの地域においてバランス・オブ・パワー、力の均衡を図るかということが重要なのであって、そのことはどこかを敵視をするとかそういうことを申し上げているつもりはございません。
この地域においてバランス・オブ・パワーを維持し、そしてまた平和と安全を維持するために我が国として当然の責任、果たすべき責任を果たしてまいりたいと考えておるところでございます。
○委員長(鶴保庸介君)
最後、おまとめください。
○舩後靖彦君
このままでは日本が破綻国家になってしまうことを危惧します。
終わります。