川崎就学裁判 判決についてのコメント

2020年3月18日、横浜地方裁判は、普通学校への就学を拒否し、特別支援学校籍とした川崎市の判断と神奈川県の就学措置の取り消しを求める
こう
すげ和希君とご両親の訴えを退け、川崎市の就学先指定の判断は違法ではないという判決を下しました。私が、文教科学委員会でまさにこの問題に関連して質問をしたところでした。

幼稚園で一緒に育った同世代の子どもたちと一緒に学びたいという和希君やご両親の素朴な願いを踏みにじり、当事者の声を聞き入れない司法の判断に対して、深い憤りと悲しみを感じます。

川崎市は和希君が人工呼吸器を利用していることで、安全面を理由に特別支援学校への就学を適当としました。呼吸器を利用しているために一般の社会での活動が「安全でない」とするなら、私が議員活動をすることも「安全でない」ということになります。

さらにこの判決は、和希君だけでなく、普通学校就学を拒否されている子どもたちをも切り捨てるものです。障害の重さや医療的ケアが必要なことで保育所・学校・職場・地域社会から分けられ、施設や病院という特別な場所で過ごさざるを得なくさせてきた結果が、やまゆり園での事件を起こしてしまった社会的土壌を育んできたと私は考えます。それゆえ、この社会を本当にインクルーシブなものに変えていくための、最重要な裁判と考えてきました。

和希君は、この春、3年生になります。和希君の子ども時代の貴重な時間を奪い、望まない特別支援学校への就学措置を追認するこの判断を決して容認することはできません。

参議院議員 舩後 靖彦