2021年5月20日 参議院文教科学委員会質疑(コロナ禍で影響を受けたアーティストへの支援策について)
○舩後靖彦君
れいわ新選組、舩後靖彦でございます。
さて、唐突ですが、私は若い頃、プロのミュージシャンを目指していました。今でもセンサーで音を出すギターを演奏し、仲間とバンド活動を行っています。新型コロナウイルス感染拡大で私もバンド活動を自粛せざるを得ない状況が続いておりますが、コロナ感染が収束した際には、大臣始め委員長、委員の皆様に私のライブに御招待させていただきたいと思っております。足をお運びいただけましたらこの上ない喜びでございます。
本日は、コロナ禍における国のアーティスト支援策について質問させていただきます。
代読いたします。
質問通告はしておりませんが、萩生田大臣に基本的なお考えをお聞きします。
劇場やライブハウス、クラブ等は文化施設という認識で間違いないでしょうか。大臣の御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(萩生田光一君)
大切な文化施設だと思っております。
○舩後靖彦君
代読いたします。
ありがとうございます。
文化庁は、コロナ禍の影響を受ける文化芸術団体関係者の方々の活動継続のため支援策を講じてきたとお聞きしています。支援事業の総数と予算総額を教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(矢野和彦君)
お答えいたします。
これまで、コロナ禍の影響を受ける文化芸術団体関係者の方々の継続活動のため、令和二年度第一次補正予算において、各地域で多種多様な文化芸術体験の機会を創出する生徒やアマチュアを含む地域の文化芸術関係団体・芸術家によるアートキャラバン、第二次補正予算において、活動の継続に向けた積極的な取組等を支援する文化芸術活動継続支援事業、第三次補正予算におきまして、文化芸術関係団体が行う積極的な公演等を支援するアート・フォー・ザ・フューチャーなど、文化庁として五つの事業に計八百九十三億円の予算を計上してまいりました。
○舩後靖彦君
代読いたします。
ありがとうございます。
私も文化庁の支援事業の内容を拝見させていただきました。文化庁さんも頑張っていただいているとは存じますが、フリーランスの方にとっては、用意されている五つのメニューのうち一つしか選択肢がないなど、業界団体や業者に厚くフリーランスに薄いというのが私の印象です。
業界団体や業者への支援はもちろん重要ですが、本当に支援の手が必要なのはフリーランスの方々だと考えます。文化庁の見解をお尋ねいたします。
○政府参考人(矢野和彦君)
お答え申し上げます。
先ほど、五つの事業、計八百九十三億円というふうに申し上げましたけれども、そのうち五百九億円が令和二年度第二次補正予算、文化芸術継続支援事業でございますが、これは主にフリーランスを含めた個人向けの枠がしっかり取られておりまして、約七千四百件を支援してきたところでございます。
また、令和二年度第三次補正予算、アート・フォー・ザ・フューチャーの事業におきましては、団体の公演等の開催を支援することにより、例えばフリーランスを含む出演者にも出演料という形で支援が届くということを意図しておりまして、文化芸術関係団体が行う積極的な公演等を支援することでその公演等に関与するフリーランスの方々も支援してまいりたいというふうに考えております。
○舩後靖彦君
代読いたします。
ありがとうございます。
支援事業に申請したアーティストの方から、文化庁の担当者は現場を知らないので審査が適当だ、アーティストは書類作成などが不得手な人が多い、お金を特定の層にただばらまくのではなく、申請をサポートする部署をつくり、書類作成などについてガイドしてほしいという要望がありました。また、申請して支援金を受領した方からは、公演ツアーを企画して敢行したが、終了後に掛かった経費の五分の一しか助成されず大赤字を被った、二度と申請しないとお怒りでした。また、アーティストを支える舞台スタッフやイベンターの方からは、自分たちには支援策がない、イベントは裏方スタッフがいてこそ成立するので、自分たちにも支援してほしいという声をいただきました。
文化庁はこの指摘をどう受け止めますでしょうか。
○政府参考人(矢野和彦君)
お答えする前に、先ほど七千四百件と申しましたけれども、七万四千件の誤りでございます。大変失礼いたしました。
それでは、御答弁申し上げます。
第二次補正予算の事業でございます文化芸術活動の継続支援事業について、当初、申請手続を行うことに苦慮しているという御相談、御意見が多数あったということは私どもも承知しているところでございます。そのため、継続支援事業につきましては、事務局体制の抜本的な整備、ホームページの情報の充実等を行ってきたところでございます。
回数を重ねることによってかなり改善できたのではないかと、そういう御評価もいただいたというふうに認識しておりますけれども、現在公募を行っておりますアート・フォー・ザ・フューチャー事業におきましても、事業のコールセンターの体制充実や随時、オンライン説明会、個別相談会などを実施するなど、申請しやすくなる取組を実施しているところでございまして、これからも改善に努めてまいりたいというふうに考えております。
補助率についてのお尋ねがございましたが、第三次補正予算につきましては、それまでの三分の二、四分の三という補助率から、定額補助というものを採用し、団体規模に応じた支援をすることとしておりまして、負担をできるだけ軽減できるように措置したところでございます。
さらに、今御指摘のございました舞台スタッフ等も含め、公演等に関与する方々についても、公演等への支援を通じて支援をしてまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
○舩後靖彦君
代読いたします。
ありがとうございます。
今後、ますますコロナ禍の打撃を受けるアーティストが増えることが予想されます。ここは、萩生田大臣のお力で予算の確保をお願いしたいものです。大臣が財務省に要請に行く際には、私も同行させていただきたく存じます。予算確保について、大臣の決意をお聞かせください。
○国務大臣(萩生田光一君)
今様々な御批判もありましたけれど、昨年からその文化に携わる人たちを何としても支援を続けていこうということで、現場も大変努力はしているというふうに私は思っています。
ただ、例えば今回の予算を見るとフリーランスに薄いじゃないかと言うんですけど、逆に二次補正はフリーランスに厚くて企業、団体に対して薄いじゃないかということなので、そういったバランスのこともありますし、それから、私、はっきり業界団体の皆さんに申し上げているんですけれど、おっしゃるように、その文化芸術を支えるスタッフというのは、必ずしもどこかの企業や団体に属していて、そして例えば社会保険でそれが確認できるとか、源泉徴収で前年度の収入が明確に分かるとかという人ばかりじゃなくて、今年はそういうツアーがあるから手伝ってくれと言われて、しかし、その人じゃなきゃやっぱりできないことというのもあるんだなということはよく理解しました。
したがって、是非そういう人たちに、何かグルーピングというか、ぶら下がってほしいと、直ちにユニオンというふうには申し上げませんけれども、何らかの形で文化従事者だということが対外的にも分かるような仕組みをつくっていただくことが極めて重要なんじゃないかということを、今業界の皆さんにもお願いをさせていただいております。
したがって、今はいろんな制約があって、もう本当に皆さんあえいでいると思います。今回の緊急事態宣言の中でも、何とかその二分の一の入場者、五千人上限ということで文化、スポーツ守ることができましたけれども、しかし、自治体によってはそれも駄目だということもあるわけです。
この一年間、文化関係の人たちがクラスターも出さずに様々な努力をして、この感染と、言うならばコロナと共に、文化の灯を消さない、そういう努力をしてきたこと、私、十分承知しておりますので、今後、その後のことも含めて、必要な予算措置についてはしっかり、八月、要求もしていきたいというふうに思っておりますので、先生を煩わせないで何とか結果を出したいと思いますが、それでも足らざるときには是非協力をお願いしたいなと思っております。
○委員長(太田房江君)
速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(太田房江君)
速記を起こしてください。
○舩後靖彦君
代読いたします。
先ほど同行と申しましたが、私は決して煩わしくは感じません。大臣、いつ参りますでしょうか。
○国務大臣(萩生田光一君)
先生の存在が煩わしいということではなくて、先生にそういう御負担を掛けないで自分で何とか結果を出したいというふうに、その決意を申し上げました。
また、今までもそういった決意の下に結果は出してきたという自負がありますので、この文化を支えていくということは極めて大事です。国全体で考える必要があると思っていますので、しっかり頑張りますし、先生がどうしても財務省に行きたいということであれば、また声は掛けさせていただきたいなと思います。
あわせて、国費のみならず、今文化庁長官と話しているのは、今回、基金などの積み上げが非常にスピードが遅くて、考えるところがありました。自分たちの力で少し稼いで、しっかりそういった、こういう緊急事態を乗り越えていくためのそうしたセーフティーネットもつくっていこうということを新長官は今考えているようでございますので、こんなこともコロナが落ち着いたら大いに、あちらこちらで旗を掲げて、少し稼ぐ文化庁も目指していきたいなと思っていますので、御支援をお願いしたいと思います。
○舩後靖彦君
代読いたします。
ありがとうございます。
今回は、コロナ禍で影響を受けたアーティストへの支援策に特化して質問させていただきましたが、コロナ禍で苦しむ全ての人に十分支援が行き渡るよう政府一丸で取り組んでいただきたいと心よりお願いを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
○委員長(太田房江君)
本日の調査はこの程度にとどめます。