2022年1月19日 「65歳問題」を考える院内集会に参加
65歳になったとたん、それまで使っていた障害福祉サービスを使えなくなり、介護保険に強制的に切り替えさせられ、自己負担などが生じる「65歳問題」についての院内集会が1月19日、参議院議員会館で開かれ、舩後靖彦議員も参加しました。
この問題を巡っては、千葉県で暮らす重度障害者の天海(あまがい)正克さんが千葉市を相手取って提訴。現在、東京高裁で裁判中で、訴訟の経過報告や応援も込めて開かれました。
舩後議員自身も本年で65歳となり、他人事ではない問題。
集会ではこの問題解消に向けて、力強くメッセージを送りました。
「自助の強要は憲法違反! 訴訟~高裁での逆転判決のために」の集会にお集まりの皆さん、こんにちは。れいわ新選組・参議院議員の舩後靖彦でございます。
私も、今年の誕生日で65歳になります。私は42歳直前の働き盛りのときにALSを発症し、お腹に穴をあけて胃ろうを造設し、のどを切り開き人工呼吸器の管を挿管して生活しています。障害福祉サービスの重度訪問介護と介護保険から訪問入浴サービス、訪問看護サービスを使っています。
私が65歳になったとき、突然介護保険のサービスしか使えなくなったら、私は最低限の生存はできるかもしれませんが、今のような国会議員活動も自分らしい充実した人生も送ることはできません。なぜなら介護保険の訪問介護では、重度訪問介護サービスにある長時間介護が認められていません。そして、見守りや支援を含めた私の必要としている様々なニーズに全く対応できないからです。
また、介護保険の訪問介護ヘルパーは日常的家事を超える生活援助、例えばペットの世話、家具・電気器具などの移動、来客の応接など、あれができない、これができなと細かく制限され、障害福祉のヘルパーのようにが利きません。
厚生労働省は、平成19年に「介護保険と障害福祉の適用関係の通知」を出し、65歳以上になったからと言って「一律に介護保険サービスを優先的に利用するものとはしない」「サービス内容や機能から、介護保険サービスには相当するものがない障害福祉サービス固有のものと認められるもの。具体的には、同行援護、行動援護、自立訓練(生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援等)については、当該障害福祉サービスに係る介護給付費 等を支給する。」「福祉サービスの利用意向を聴き取りにより把握した上で、申請者が必要としている支援内容を介護保険サービスにより受けることが可能か否かを適切に判断すること」としていますが、その対応には自治体によって大きなばらつきがあります。
重度訪問介護はどうやっても介護保険の訪問介護に置き換えることは無理があります。しかし、重度訪問介護や行動援護、移動支援のように介護保険にないサービスであっても、65歳以前に使っていた人はで使えるが、65歳以降に必要な状態になった人は使えない。あるいは65歳になったとたんに障害福祉から介護保険に切り替えられ、今まで使っていたサービスを打ち切られて介護保険の他のサービスに帰られたり、支給量が減らされたりという自治体もあります。そのため、この65歳問題に関しては、当事務所にもさまざまなご相談が寄せられています。
さんの場合、65歳になって介護保険の利用申請を行わなかった際に、障害者福祉の給付を打ち切られ、介護費用を自己負担せざるを得なくなり、介護保険の利用を強制されたという問題があります。そしてそのことによって、応能負担の障害福祉サービスでは利用料負担がなかったのに、介護保険では原則1割負担の負担であり、障害年金収入の中から1万5千円もの負担をしなければならなくなりました。皆さん、信じられますか!?
障害に年齢が加われば、より重度化し、支援はより必要になります。65歳をさかいに新たな負担が強いられることは、障害者の生存権をおびやかすもので、自立支援法の違憲訴訟での和解合意に反しますし、年齢による差別に他なりません。
このような千葉市の強権的な行政処分のやり方、その判断内容の問題に関しては、これから本集会で様々に検討されていくことと存じます。私も一緒に勉強させていただき、裁判で行政の判断がくつがえった岡山市の浅田訴訟のように、完全逆転判決が勝ち取れるよう応援したいと思います。
しかし、こうして各地で同じ問題が起き、行政請求ではらちが明かず、裁判までしなくてはならないというのは、それでなくとも生活に困難を抱える高齢障害者にとって、ものすごい過重な負担です。あきらめて泣き寝入りされている方も多いのではないでしょうか。
やはり、根本的解決のためには、65歳以上になったら介護保険優先を定めた障害者総合支援法の第7条を改正する必要があります。立法府に身を置く議員として、この問題はわがこととして取り組んでまいります。皆さん、ご一緒に頑張ってまいりましょう。