舩後が策定にかかわった認知症基本法成立のご報告

6月14日の参議院本会議で、舩後議員が策定にかかわった議員立法「共生社会の実現を推進するための認知症基本法案」が全会一致で可決成立しました。本法案は、超党派の「共生社会の実現に向けた認知症施策推進議連」が起草し、全会派の賛成で衆議院厚生労働委員会に委員長から提案されました。

超高齢社会において、誰もが認知症になる可能性があるという認識の下、認知症の人が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすことができるよう、認知症施策を総合的かつ計画的に推進する。それによって、認知症の人を含めた国民一人ひとりが人格と個性を尊重しつつ支え合いながら共生する活力ある社会(=共生社会)の実現を推進するための法律です。

舩後議員は議連発足時から発起人として参画し、認知症の当事者や家族、医療関係者などとともに議論してきました。そして、法案の骨子案段階から積極的に提言し、以下3点、目的・基本理念にかかわる重要な提案が法文に盛りこまれました。

① 古い認知症観(認知症の人は何もわからない、社会に迷惑をかける存在)の捉え方を脱し、認知症による認知機能の低下はあっても、個人の尊厳の確保、つまり人権ベース=「人権モデル」でとらえる。

② 「予防」の取り扱いについて。認知症の発症予防は完全にはできないし、目的にすべきでもない。しかし、障害者権利条約から考えて、認知症(障害)の進行を最小限にする、遅らせるための適切な予防はあってよい。しかし、それは認知症のある人の社会生活への参加を促進するためのもので、制限や排除につながるものであってはならない。

③ 予防を含め、医療・福祉サービスは本人の意思に基づいて利用するものであり、家族の都合に基づく強制・押しつけにならないように。

その後、衆議院法制局の協力の下、議連事務局が作成した法案要綱案段階でも、人権モデルの観点から法文の修正を3か所提案し、修文されました

今国会では、“亡国棄民法案”ともいえる防衛財源確保法、防衛産業基盤強化法、GX2法案、マイナンバー法、健康保険法、入管法などを含む政府提出の法案(閣法)60本のうち、時間切れで継続審議となった2本を除く58本が成立。そして13本の議員立法が成立しました。国会議員は、提出された法案について所属する委員会で質疑・採決し、そして本会議での採決に臨みます。

また、法案を審査するだけでなく、国会議員は「立法府」として法案を自ら作り提案することもできます。議員が法案を提出するには、衆議院では20人以上(参議院では10人以上)の賛成者が必要で、予算を伴う法律案は、衆議院では50人以上(参議院では20人以上)の賛成者が必要です。

れいわ新選組はまだ党単独で法案提出はできませんが、このように政策課題を共にする議員連盟に参加することで、法案作成にかかわることができます。舩後議員は今まで、「医療的ケア児支援法」(2021年6月11日成立)、「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」(2022年5月19日成立)の策定にかかわり、当事者の意見をヒアリングする等して積極的に修正提案をし、特に、医療的ケア児支援法では、法の目的などに重要な変更を盛り込むことができました。しかし、この2法案に関しては、議連での議論に最初からかかわっていたわけではありませんでした。今回、最初から認知症当事者、家族、医療関係者などの多様なステークホルダーの声をお聞きしながら法案策定する過程で、当事者の納得のいく中身にするために、丁寧な調整をしてこられた議連事務局の対応を知ることもでき、大変勉強になりました。

今後は、議連を通して、法の施行状況を監視し、必要な改正に結び付けていければと思います。