10月31日 韓国厚労省の方々との面談を行いました
去る10月31日(木)、韓国の厚生労働省障害福祉課長、課長補佐と障害福祉の研究者が来日、天畠議員とともに両国の障害福祉制度について意見交換しました。
昨年の9月25日に韓国の国会で行われた院内集会「生命権連帯と実践-日韓神経・筋肉障害者 介助サービス高度化戦略のための国際セミナー」で、舩後が「医療的ケアを必要とする人の介護保障-重度訪問介護制度の課題」を報告。この集会に参加していた韓国厚労省、関係機関の方と研究者が、日本で重度訪問介護のような制度(長時間介護、ヘルパーの医療的ケアが可能)がつくられた背景について、日本の厚生労働省、NPO法人ALS/MNDサポートセンターさくら会、そして舩後事務所にヒアリングを希望し、会談となりました。
事前に、重度訪問介護サービスについて、また障害福祉における最近の政策課題ついて、質問をいただいていましたので、それについては文書でお答えしました(資料参照)
会談では、日本でヘルパーの医療的ケアが認められていることについて関心が寄せられ、ALS患者等の人工呼吸器ユーザー当事者とその家族、支援団体の運動により、医行為の一部が研修を修了すればヘルパーができるようになったことにより、地域での自立生活が可能となった経緯を説明いたしました。
一方、日韓双方に共通する課題として、ヘルパー不足、サービス提供・支給量の地域間格差が話題となりました。韓国では、ヘルパー不足に対応し、一部、家族介護に対して賃金を支払う試行事業が開始されたそうです。舩後からは、当事者やその家族が医療的ケアのできるヘルパーの養成研修事業を実施したり、ヘルパー派遣事業所を運営していることを紹介しました。また、れいわ新選組の政策として、全産業平均より月額7万円安い介護職の給料を国が直接補填する、地方で訪問系サービスが採算取れず事業所が撤退しているようなところでは、自治体が公務員としてヘルパーを雇って訪問サービスを行うなど、思い切った財政出動を行うことを提案していることも説明いたしました。
韓国も日本も急速に進む少子高齢化の中で、人手不足や都市への一極集中と過疎化など、同じ課題に直面しています。お互いに課題解決のために良い点を学び合い、障害福祉の向上、障害者の権利推進のために情報交換をしていくことを約束し会談を終えました。
昨年の訪韓で得た韓国の障害当事者、関係団体、行政関係者との交流をこれからも深めてまいります。