任期6年間(2019年8月~2025年7月)の重点課題

舩後靖彦は、全体ビジョン

障害の有無を問わず

誰もが幸せになれる社会をつくる

に基づき、教育や福祉政策の専門家の方々との意見交換を踏まえ、任期6年間の重点課題を以下の通りまとめました。
この内容は随時見直し、修正・更新していきます。

Ⅰ 教育

1、学校における合理的配慮の不提供をなくす
2、高校の定員内不合格をなくす
3、障害のある人の高等教育、生涯教育の保障、合理的配慮の提供
4、学校のバリアフリー化を進める
5、共生社会構築の基礎であるインクルーシブ教育・保育への制度転換
6、障害のある教職員の養成課程・教員採用試験・就労現場での合理的配慮の提供、採用・異動・昇進等における差別の禁止
7、その他(病児教育、通級制度の改善・充実等)

Ⅱ 地域生活

1、すべての障害者がより利用しやすい介助制度の構築、必要な医療を受けられる体制の整備
2、就学前の障害児、特に医療的ケアの必要な障害児とその家族が地域で暮らし続けるための社会資源の充実。医療と福祉のネットワークづくり
3、重い障害をもっていても、医療的ケアが必要な人も、安心して自立生活ができるインクルーシブな地域社会づくり
4、様々なコミュニケーション手段・支援の充実。オリヒメ(分身ロボット)活用だけではなく、言語・知的・聴覚・視覚障害者などへの情報アクセスを保障するための人的保障、技術革新への支援を行う

Ⅲ 脱施設、施設・病院内の虐待防止・権利擁護

1、施設・病院内での虐待防止と入所者の有効な権利擁護のしくみつくり
2、施設内の権利擁護活動から退所・退院支援につなげる

Ⅳ 誰もが尊厳や生きがいをもって人生を全うできる社会づくり

1、尊厳ある生を生きられるためのサポートや制度、医療資源の充実
2、生まれ育った環境などによって選択肢が奪われないための制度づくり
3、尊厳死法制化に反対する取り組み

Ⅴ 災害時要配慮者等を置き去りにしないインクルーシブ防災の推進

1、「災害時要配慮者」への対応強化、個別計画の充実。平時から防災研修・避難訓練への当事者参加を進め、事前避難体制の整備
2、医療的ケアを必要とする人やLGBTの方々について、避難計画段階から、固有ニーズやプライバシーに配慮した計画策定を進める

Ⅵ 障害者の政治参加推進

1、障害や難病などのある人が参加しやすい選挙制度、選挙活動・投票における合理的配慮を実現し、国会・地方議会等で当事者が活躍する機会を増やす
2、庁舎等におけるハード面のバリアフリー化、環境整備。質問準備、質疑、採決、視察、調査等における個々の障害の状態に応じた合理的配慮(特に当事者の希望を尊重した介助者、意思疎通支援者)の提供
3、障害や難病のある議員だけでなく、妊娠中や高齢の議員などを含め、誰もが安心して議事に参加できるよう遠隔出席を認める

Ⅶ バリアフリー

1、地方、小規模店舗、学校におけるバリアフリーの徹底
2、公共交通機関などにおけるソフト(乗務員や会社)面、意識改革

Ⅷ 障害者雇用、福祉的就労に代わる制度設計

1、障害、病気等があっても社会参加し、働きがいのある人間らしい仕事に就き、経済的な自立を図れるよう職場環境の整備や合理的配慮の実現
2、いわゆる「福祉的就労」(就労継続支援B型)の場で働く障害者(利用者)の現状改善のための法制度の整備

Ⅸ 上記の課題を解決するための基盤である法整備

1、障害者権利条約完全実施
2、障害者基本法改正
3、障害者差別解消法改正
4、障害者虐待防止法改正
5、障害者総合支援法の改正
①重度訪問介護の対象者を、障害種別を問わず日常生活全般に常時の支援を要するすべての障害者が利用できるようにする。利用目的に制限を設けないシームレスに利用できる制度に
②地域生活支援事業の移動支援、コミュニケーション支援を自立支援給付に
③障害の定義を障害者基本法に合わせ、制度の谷間をなくす
④成年後見制度の代行決定ではなく、支援付き意思決定に→日常生活における意思決定支援と密接に関わる支援であるパーソナルアシスタンス制度を実現
⑤精神科病院の長期入院者の退院促進・地域移行支援を進める
⑥65歳以上の障害者に対する介護保険優先政策の転換