2019年12月3日 文教科学委員会 反対討論

○舩後靖彦君

れいわ新選組の舩後靖彦でございます。

党を代表しまして、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律案に反対する立場から討論を行います。

この間の文教科学委員会の質疑において、萩生田大臣御自身が、一年単位の変形労働時間制を採用することで直ちに教員の業務量、長時間労働が縮減されるわけではないが、業務改善と併せると夏休み期間などでまとめて休みを取りやすくなると答弁されているように、基本的には、教員の本来業務を減らし、正教員を増やすこと以外に教員の長時間労働、教員の多忙化を減らすことはできません。

しかしながら、現状は、学習指導要領の改訂で学ぶ量は増え、道徳の教科化、小学校では外国語が教科化され、学力テスト悉皆調査で学力向上が保護者からも求められるなど、教員の授業準備、評価などの本来業務を増やす一方で時間外勤務を減らせと言っているわけで、アクセルとブレーキを同時に踏んでいるような状態です。これでは現状は何も変わりません。

一方、一年単位の変形労働時間制導入に関しては、教員の業務はあらかじめ繁忙期、閑散期と分けることは不可能であり、夏休み期間中に休みをまとめ取りするという案は実態に合っていません。全国の教員から、夏休みも休めていないという声が多数寄せられています。むしろ、変形労働制導入により、夏休み期間等以外の通常勤務時期における残業がますます増える可能性が大きいと言わざるを得ません。

指針は、労基法の労使協定によらず給特法を前提とするため、上限時間を超えた際の罰則規定も割増し賃金もありません。上限を上回ったかどうかの客観的な時間管理をどう担保するのか、上限を超えて勤務した場合の改善策や誰が責任を取るのかが曖昧なまま、条例任せで拙速に導入されようとしています。

以上の問題点から、本法案は廃案とし、半世紀前に作られた給特法の抜本的見直しが必要と考えるため、本法案に反対いたします。