2022年5月19日成立 障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法の成立を受けて舩後靖彦コメント
5月19日、衆議院で「障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律案」(通称:障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法案)が可決され、成立しました。
本法案は、情報保障、コミュニケーション支援に係る施策を総合的に推進することを目的としたもので、財政支援の条項が入ってより実効性のあるものとなっています。長年、私も含めた情報障害者、コミュニケーション支援を必要としている方々が待ち望んだ法律がようやく成立し、感慨もひとしおです。
また、本法案をめぐって、初めて厚生労働委員会での質問をする機会を得たことも、大きな喜びでした。その経緯は次の通りです。
私は、本法案を策定した超党派の「情報・コミュニケーション議連」に参加し、障害者団体からのご要望もお聞きし、法案要綱段階から積極的に修正提案をしてまいりました。しかし、残念ながら、すべての修正提案が受け入れられることはかなわず、以下のような課題が残ってしまいました。
・第3条「基本理念」に「可能な限り」の表現があること。社会権である以上、一気に義務化はできないにしても、障害者権利条約21条のように明確な目標を明記すべき。
・第5条「事業者の責務」で、民間事業者は「努めなければならないこと」と努力義務になっていること。
・第13条「障害者が自立した生活を営むために必要な分野に係る施策」の2(保健・医療・福祉・教育・文化レクリェーション施設が意思疎通支援する取組みへの支援)は、国・地方公共団体の努力義務になっていること。
そのため、通常議員立法では、全会派賛成の場合、委員長提案で委員会での質疑なしで通ってしまうため、れいわ新選組は法案が付託される厚生労働委員会での質疑の確保を条件に賛成としました。そして、れいわ新選組は参議院の厚生労働委員会に席をもっていませんが、同じく情報・コミュニケーション議連のメンバーで厚労委員会の野党筆頭理事でもある川田龍平先生(立憲民主党)のご尽力で、与野党の理事の皆様のご理解が得られ、委員外質疑として私の厚労委員会での質問が認められました。この例外的措置は、私が本法案の施策に直接影響を受ける当事者であることにご配慮いただいたものと感謝しております。
議員立法の場合、通常、提出議員が答弁に立ちますが、今回は例外的に、 同法案と「困難な問題を抱える女性への支援に関する法案」に関連した一般質疑となり、政府(厚労大臣)に対して本法案への対応を問うことになりました。その結果、残された課題について、必要に応じて、法令、施策の見直し等の措置を講ずることになる、などの答弁を得ることができました。
法施行後は、実施状況の推移を注視し、当事者の皆さま、関係団体等現場の方々の声をもとに、必要な見直しを働きかけて参ります。
障害のあるなしに関わらず、誰もが、いつでも、どこでも、必要な情報を取得でき、コミュニケーションが可能な社会の実現に向けて、今後とも尽力してまいります。
2022年5月20日
れいわ新選組 参議院議員 舩後靖彦