人工呼吸器利用者にとって不可欠な「精製水」について
参議院議員 舩後靖彦
新型コロナウイルスの感染拡大により、亡くなられた方々に心からお悔やみ申し上げます。また、療養中の方々に関しては一日も早いご快癒をお祈り申し上げます。そして、医療・看護職、介護職をはじめ、生活を守って下さっている皆様に心より感謝申し上げます。
さて、私と同じALS患者のご家族から、「精製水が購入できず、困っている」との声が寄せられました。
人工呼吸器を使う場合、乾燥した空気が気道や肺を傷つけるのを避けるため、加温・加湿をする必要があります。この際、純度の高い「精製水」を使う必要があります。不純物を含んだ水道水を用いると、菌が繁殖しやすかったり、機器の異常につながったりするからです。私にとっても、他人事ではございません。
精製水の需要が増えている理由に、消毒液が不足する中で、消毒液の代替として用いる高濃度エタノールの希釈に用いられているとの声があります。厚生労働省は、手指消毒用に高濃度エタノールを希釈して使用することを認めていますが、4月22日に発出した「高濃度エタノール製品の使用の手引き」において、「手術野、創傷面等以外の一般的な手指・皮膚の消毒に使用する場合は、精製水の代わりに水道水で薄めることでも差し支えないこと」と説明しています。
厚生労働省は精製水を含めた医薬品について、メーカー各社に増産を依頼するとともに、業界団体を通じて、転売を防ぐための方策などの呼びかけも行っているとのことです。
私としても今後、供給体制が整っていくかを注視しておりますが、国民の皆様におかれましては、精製水を必要とする人が不安なく購入できる環境への配慮を頂ければありがたく存じます。
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