2023年2月28日参議院議院運営委員会質疑(日銀副総裁候補2人に質問)
○委員長(石井準一君)
速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(石井準一君)
速記を起こしてください。
この際、お諮りをいたします。
委員外議員舩後靖彦君から日本銀行副総裁の任命同意に関する件についての内田参考人に対する質疑のため発言を求められておりますので、これを許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石井準一君)
御異議ないと認めます。
それでは、舩後君に発言を許します。舩後靖彦君。
○委員以外の議員(舩後靖彦君)
れいわ新選組、舩後靖彦でございます。
内田様、どうぞよろしくお願いいたします。
私は、ALSという難病により全身麻痺で、喉に穴を空けて人工呼吸器を付けており、声を出すことができません。このため、パソコンによる音声読み上げで質問をさせていただきます。
それでは、質問いたします。
昨日の植田先生への質問と同じことをお聞きします。
日銀の黒田総裁は、財務官時代に格付会社に対して、日本はハイパーインフレになる可能性はゼロに等しいとした意見書を提出しました。実際、2016年9月以降、YCCとして10年物の金利をゼロ%辺りで固定していましたが、全くハイパーインフレの兆しは見られません。
積極的な金融緩和の継続でハイパーインフレになるというようなお考えをお持ちなのでしょうか。見解を端的にお聞かせください。
○参考人(内田眞一君)
お答え申し上げます。
日本銀行が、イールドカーブコントロール、あるいはそれに伴う国債買入れ、金融緩和政策を続けておりますが、これはあくまで2%の物価安定の目標を持続的、安定的に実現する目的で行っているものです。したがって、政府による財政資金の調達支援を目的としたものではございません。
また、政府におかれましても、共同声明におきまして、中長期的に持続可能な財政構造を確立するための取組を着実に進めているものと理解しております。したがいまして、そのような状況になるというふうには考えておりません。
○委員以外の議員(舩後靖彦君)
引き続き、植田先生への質問と同じことをお聞きします。
黒田総裁は財務官時代に、日米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられないと意見書で述べています。
そこで、デフォルト、借換えについての御見解をお願いします。黒田氏報告書の意見と同じですか。結論のみお答えください。
○参考人(内田眞一君)
デフォルトの定義というものが定かでありませんので一言でというのは難しいかと思いますが、日本の国債が購入されているということは財政運営に対する信認が前提となっているということだと思います。
財政政策は、もちろん政府、国会でお決めいただく権限と責任があるということで具体的に申し上げるということは差し控えますが、先ほども申し上げましたとおり、共同声明におきまして持続可能な財政構造を確立するための取組というのをコミットされておりまして、着実に推進されているものというふうに理解しております。
○委員以外の議員(舩後靖彦君)
質問を続けます。
いわゆる通貨の信認論についてお伺いします。候補の考える通貨の信認について述べてください。日本はその危機にあるとお考えですか。
また、為替レートについて質問させていただきます。円が強ければ強いほどよいのだというお考えですか。
○参考人(内田眞一君)
通貨の信認は、基本的には私どもがしっかりと金融政策を行い、適切に行い、物価の安定を実現することによって保たれるというふうに思っておりまして、そのように努力してまいりたいと思いますし、信認が失われるということはないというふうに思います。
為替につきましては、これは、水準評価について具体的にコメントすることは差し控えますが、もちろんプラス面、マイナス面、両方あるということでございますし、かつ、そのことが経済に及ぼす影響が業種あるいは規模等、経済主体によっても不均一である、こういうことも考えながら為替の影響というものは考えなければいけないというふうに思っておりまして、日本銀行としては、引き続き、政府とも連携しながら、しっかりと為替市場の動向、まあ金融・為替市場の動向及びその経済、物価への影響ということをしっかりとモニターしていきたいというふうに思っております。
○委員以外の議員(舩後靖彦君)
終わります。ありがとうございました。
○委員長(石井準一君)
速記を起こしてください。
この際、お諮りいたします。
委員外議員舩後靖彦君から日本銀行副総裁の任命同意に関する件についての氷見野参考人に対する質疑のため発言を求められておりますので、これを許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石井準一君)
御異議ないと認めます。
それでは、舩後君に発言を許します。舩後靖彦君。
○委員以外の議員(舩後靖彦君)
れいわ新選組、舩後靖彦でございます。
氷見野様、どうぞよろしくお願いいたします。
私は、ALSという難病により全身麻痺で、喉に穴を空けて人工呼吸器を付けており、声を出すことができません。このため、パソコンによる音声読み上げで質問をさせていただきます。
それでは、質問いたします。
昨日の植田先生への質問と同じことをお聞きします。
日銀の黒田総裁は、財務官時代に格付会社に対して、日本はハイパーインフレになる可能性はゼロに等しいとした意見書を提出しました。実際、2016年9月以降、YCCとして10年物の金利をゼロ%辺りで固定していましたが、全くハイパーインフレの兆しは見られません。
積極的な金融緩和の継続でハイパーインフレになるというようなお考えをお持ちなのでしょうか。見解を端的にお聞かせください。
○参考人(氷見野良三君)
お答えいたします。
積極的な金融緩和を続けることでハイパーインフレが起こるとは考えておりません。
金融緩和は、2%のインフレを安定的、持続的に達成するために続けておるものでありますので、それをはっきりインフレ率が上回ってくれば当然その政策は終了するということで、私ども、絶対にハイパーインフレを起こさないというのが根本の使命でありますので、そういったことで的確に政策を運営してまいりたいというふうに考えております。
○委員以外の議員(舩後靖彦君)
引き続き、植田先生への質問と同じことをお聞きします。
黒田総裁は財務官時代に、日米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられないと意見書で述べています。
そこで、デフォルト、借換えについての御見解をお願いします。黒田氏報告書の意見と同じですか。結論のみお答えください。
○参考人(氷見野良三君)
先進国の自国通貨建て国債にデフォルトがあり得るかという点につきましては、国債のデフォルトの定義は学者によって範囲が異なるわけでありますが、また、学説もいろいろあるというふうに承知しております。
財政については、政府と国会で責任を持って議論される話なので、候補としてコメントすることは適当でないと考えますけれども、日本の国債が購入されているのは財政運営に対する信認が前提となっているものというふうに理解いたしております。
○委員以外の議員(舩後靖彦君)
質問を続けます。
いわゆる通貨の信認論についてお伺いします。候補の考える通貨の信認について述べてください。日本はその危機にあるとお考えですか。
また、為替レートについて質問させていただきます。円が強ければ強いほどよいのだというお考えですか。
○参考人(氷見野良三君)
通貨の信認ということでありますけれども、その通貨が発行されている国のインフレ率が大幅に目標を超えているとか、あるいはハイパーインフレーションになるとか、そういったことが起きないというのが条件になるというふうに考えております。それで、日本がその信認の危機にあるかということであれば、ないというふうに考えております。
また、為替レートについては、経済の基礎的諸条件に沿って安定的に推移するのが適切であり、何かどちらかの方向に、一方向に動いていくことが望ましいというふうには考えておりません。
○委員以外の議員(舩後靖彦君)
終わります。ありがとうございました。