2025年6月17日 舩後靖彦からの大切なお知らせ

2025年6月17日、舩後靖彦は、れいわ新選組の山本太郎代表、木村英子副代表とともに記者会見を開き、次期参議院選挙に立候補しないことを表明しました。

記者会見での舩後靖彦からの報告、配布資料は以下の通りです。

ご報告

わたくし、れいわ新選組所属の参議院議員、舩後靖彦は、次の参院選に出馬しないことを決めましたので、ここにご報告申し上げます。

2019年、れいわ新選組を結党した山本太郎代表にお声がけいただき、「特定枠」という制度によって、参議院議員になることができました。議員になる前から一貫して訴えてきたのは「命の価値は横一列」、「可能性はノーリミット」ということです。6年間、この信念に基づき、さまざまな政策提案に取り組んでまいりました。この6年間に取り組んだテーマや実績については、別紙参考資料にまとめておりますので、のちほどご覧ください。

次期参院選に立候補をしないと決めた理由は、年齢や体力を考慮し、次の世代に託したいと考えたためです。私は2020年の最初のコロナ感染拡大期に国会内の感染対策への懸念から登院を控えた1週間程度と、今国会の最終盤に体調を崩した2週間程度を除けば、委員会、本会議、視察などの国会日程はほぼ出席し、国内外の出張もおこなってまいりました。これはお調べいただければわかると存じます。一方、働くなかで感じたのは、議員は「超人的に健康で、体力があって、元気な人ばかり」ということです。国会議員は「そういうもの」という固定観念は、「元気で動けなければ役に立たない」という優生思想につながってしまいます。この社会には、望んでいても十分に働けない人が多くいます。ごく一部の「強い男性」しか活動できないのは、国権の最高機関の姿として健全とは思いません。だからこそ、私や木村議員、てんばた議員の存在意義を感じ頑張ってまいりましたが、年齢的にも体力的にも、さらに6年間は難しいと考えた次第です。

わたくしと木村議員が就任して以降、ハード面/ソフト面で国会内のバリアフリーが進みました。これにより、こののちに重度障害のある議員が就任した際の道筋になったと自負しております。ご尽力いただきました各党の皆様、参議院事務局の皆様には、この場を借りてお礼申し上げます。

一方、当選来訴えていながら実現にたどり着けず、今でも悔しい思いをしているのが「重度訪問介護等の利用制限撤廃」です。先日、木村議員、てんばた議員とともに、院内集会を開催し、改めて利用を制限している「告示523号の撤廃」を訴えました。院内集会には、れいわ新選組以外にも、自民党、立憲民主党、国民民主党、共産党、社民党、無所属の国会議員の方々がご来場下さり、当事者からの要望を受け取ってくださいました。ぜひ超党派で実現していただきたいと考えております。なお、この重度訪問介護の利用制限については、創作活動の一環として、楽曲を制作し、ホームページ、YouTubeに公開しておりますので、そちらもご参照ください。

また、参議院議員となって最初の委員会質疑から継続的に取り組んできたのが、特別支援教育からインクルーシブ教育への転換です。合理的配慮やバリアフリー化などの環境整備に関しては、一定進んだと評価できる面もありました。しかし、就学先決定の仕組みを変え、誰もが共に学ぶインクルーシブ教育への制度転換は、国連・障害者権利委員会の勧告にもかかわらず、1ミリも進んでいません。このため子どもの数は減少しているのに、特別支援学校・学級で学ぶ子どもの数が急増し、分離が拡大しているという結果で、忸怩たる思いです。

わたくしはご覧の通り、ALSで人工呼吸器をつけて延命してまいりました。最初に代表から特定枠で参議院議員になることをすすめられたとき、6年間生き続けて、任期をまっとうすることが代表への最大の恩返しになると考えました。果たして、生きてこられてまいりましたことで、恩の一片はお返しできたと考え、今は気が軽くなったところが少々あります。

今後は民間の立場から、「命の価値は横一列」、「可能性はノーリミット」を訴え、活動してまいりたいと思います。改めまして、わたくしを、れいわ新選組をお支えいただいた皆様、本当にありがとうございました。残り僅かですが、任期いっぱい全力で取り組んでまいります。この活動は、終わりはないものと見ています。故に、後続されるみなさんがやりやすくする事がわたくしに課された使命と思っている次第です。失礼いたします。

2025年6月17日

参議院議員 舩後靖彦