沖縄県「定員内不合格」についてのコメント

本日、沖縄から大変悲しく、辛い知らせを受け取りました。

昨年、一昨年、高校受験で不合格(昨年は定員内にもかかわらず不合格)とされた沖縄県の仲村伊織さん(17)が、80人以上の定員が空いているにもかかわらず、沖縄県立真和志高校を不合格にされました。

ご両親らによると仲村さんは重い知的障害がありますが、合理的配慮を受け、今月に行われた2日間の試験では、ほとんど離席することなく集中して取り組めた、ということです。高校は、こうした仲村さんの努力、高校で学びたいという意欲を認めなかったということになります。

ほぼ99%の子どもが、実質無償で高校に進学する時代において、1%の子どもを高校から排除することの大義はあるのでしょうか。仲村さんを含め障害のことだけではありません。貧困のなかで学ぶ環境を保障されてこなかった子など、最も教育を必要としている子どもを排除するのは、教育機関の敗北ではないでしょうか。

この不合格は、仲村さんが同世代と共に過ごす場を奪います。違いを排除せず、共に生きるインクルーシブな社会を目指すうえで大きな障害であり、人道にも反しており、断じて許容できません。

私は昨年11月以降、定員内不合格の問題に取り組んでまいりました。受験が差し迫った2月10日には沖縄に飛び、教育長宛ての要望書を提出し、仲村さんやご家族、ご友人とも対話しました。皆様と交流する中で、全国で高校定員内不合格問題に取り組む方々のつながりは、まさに違いを違いとして多様な存在を受け入れ、共に育ち生きる、インクルーシブな社会の縮図と感じました。

仲村さん、ご家族、支援者の思いに反する今回の高校の判断に、強く抗議します。

参議院議員 舩後 靖彦