新型コロナウイルス対策に係る就労継続支援事業所への生産活動収入減少に対する対応を求める要望書

厚生労働大臣

加藤勝信 殿

参議院議員 舩後靖彦

2020年3月13日

新型コロナウイルス対策に係る就労継続支援事業所への生産活動収入減少に対する対応を求める要望書

平素より、障害者の福祉向上と社会参加の促進にご尽力いただきありがとうございます。また、新型コロナウイルス対策に、連日取り組みいただいておりますご努力に敬意を表します。

さて、新型コロナウィルス感染拡大の影響で経済活動が縮小し、その影響は障害福祉サービス事業所の運営にも及んでおります。その対応策として、厚労省はすでに「新型コロナウイルスへの対応に伴う就労継続支援事業の取り扱い等について」の事務連絡を出していただいております(3月2日更新)。

就労継続支援A型事業所につきましては「賃金および工賃の支払いは原則として自立支援給付訓練等給付費を充ててはいけない。但し災害その他のやむを得ない場合がある場合は、この限りではない」という規定を適用して、訓練等給付費を利用者の賃金に充ててもいいとはなっておりますが、事業の売り上げが減っている分を訓練等給付費から充てることで利用者の賃金補償は可能ですが、事業所全体の収入減を補填することにはなりません。

一方で、業務量が減ったため利用者の出勤調整を行うと、雇用契約を結んでいるA型では(1週間に20時間以上働いている場合)、雇用保険の雇用調整助成金の利用が可能ですが、労働基準法適応外であるB型においては何の補償もなく、利用者は年金以外の収入が断たれることになります。

現在の給付金制度は、日払い方式となっておりますので、A型においてもB型におきましても、利用者を出勤調整で休ませたり感染リスクのある利用者を休ませますと、その分の訓練等給付費が入らなくなり、事業所の売上が減少した上にさらに訓練等給付費の減少により事業所全体の収入減が増加し、事業所の経営が成り立たなくなってしまいます。

本日、新型インフルエンザ等対策措置法の改正が可決成立いたしました。「緊急事態宣言」で強制力を伴なう障害者・高齢者の施設利用や外出制限指示が出された場合、事業所への通所も停止となるため、給付費に頼っている施設の経営が破たんするのは目に見えています。

今回の新型コロナウイルス感染拡大による影響に対する経済支援策につきましては、中小企業向けの金融支援策等は出されていますが、障害福祉関連事業所への経済的損失への直接的補填策は確認されておりません。厚生労働省といたしましては、いわゆるフリーランスや個人事業主などが仕事を失ったり売上げ減少への補償がないことへの対応を含め、労働分野全体の中で検討されておられることとは存じますが、障害福祉関連事業所への以下の対応をお願い申し上げます。

1、就労継続支援A型・B型事業所などの障害者総合支援法に基づく事業所の減収に対する適正な補填をすること

2、訓練等給付費を日払いでなく月単位で一定額の補助金を支払う月額払い制度へ変更すること

以上