遠隔授業における合理的配慮に関する要望について

新型コロナウイルスの感染拡大により、亡くなられた方々に心からお悔やみ申し上げます。また、療養中の方々に関しては一日も早いご快癒をお祈り申し上げます。そして、医療・看護職、介護職をはじめ、生活を守って下さっている皆様に心より感謝申し上げます。

さて、新型コロナウイルス感染に伴い大学などで遠隔授業・講義の導入が進む中、障害のある児童生徒・学生に対して、必要な支援がなされず、授業・講義から取り残されてしまうのではないかという懸念の声が寄せられています。

このため、文部科学省に対して以下の通り、22日付で要望書を提出いたしました。

2020年4月22日

文部科学省

萩生田光一大臣 殿

参議院議員 舩後靖彦

新型コロナウイルス感染拡大に伴う遠隔授業における合理的配慮に関する要望

平素より児童生徒の健やかな成長と学びの保障、高等教育機関における教育・研究の推進にご尽力いただきありがとうございます。また、新型コロナウイルス感染拡大対策にお取り組みいただいておりますことに心より感謝申し上げます。

さて、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、現在多くの学校、大学で休業を余儀なくされ、未だ授業再開の目途が立っておりません。そのような状況の中で、文部科学省としましても「子供の学び応援サイト」を開設して学校休業中の学習支援コンテンツを紹介する他、学校、大学における遠隔授業の取組を応援すべく、ネット環境の整備や通信料金の負担軽減のために様々な施策をご検討いただいているところと存じます。

私は4月7日の文教科学委員会で、遠隔授業の推進と、家庭環境等による格差から、取りこぼされる児童生徒さんがないよう、ご配慮と予算措置をお願いし、大臣から前向きなご回答をいただきました。

学校現場は現在、一部授業を再開している自治体もありますが、多くの自治体で全国一斉休校措置が取られ、そのまま新学期を迎えるという混乱の中にあります。さらにこの間、授業の遅れを解消するため、オンラインによる遠隔授業が全国の大学等で急速に広がっております。

その中で、学校の管理職・教員、大学の教員・障害学生支援センターの職員は、障害のある児童生徒とその保護者、障害学生ときちんと協議する間もなく、遠隔授業への対応に追われている状況と拝察申し上げます。そのため、遠隔授業における障害のある児童生徒、学生に対する必要な合理的配慮の調整がきちんとなされず、障害のある児童生徒、学生が遠隔授業から取りこぼされてしまうのではないかという強い懸念が現場から寄せられています。

通常の対面授業・講義での合理的配慮の提供と同様、遠隔授業においても必要な合理的配慮の提供をお願いしたく、以下、要望させて頂きます。

1、音声言語を聞き取ることが難しい聴覚障害者、文字資料を読むことができない視覚障害者、暗黙の了解や指示詞を理解することが難しい発達障害者等、情報アクセスに困難を伴う障害のある児童生徒、学生に対し、遠隔授業の内容に合わせた合理的配慮の提供方法について当事者の要望を聞き、調整・提供するよう、各学校、大学等に指導してください。

2、学校、大学等での遠隔授業にかかる合理的配慮の提供に伴い、必要な人的資源の確保のため、文部科学省として必要な財政措置をお願いいたします。

以上でございます。