2022年6月8日 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会参考人質疑
○舩後靖彦君
れいわ新選組、舩後靖彦でございます。
本日は、参考人の皆様、御多忙の中、御出席いただきまして、本当にありがとうございます。
私は、ALSという難病により全身麻痺で、喉に穴を空けて人工呼吸器を付けており、声を出すことができません。このため、意思伝達装置による音声読み上げで質問をさせていただきます。聞きづらい点もあるかもしれませんが、御容赦いただければ幸いです。
私は2019年に当選いたしました。当選後、一部の僅かな期間を除き、この参議院の拉致問題特別委員会に所属してきました。私は、この委員会で政府に対して積極的に質疑を行う気構えでいました。しかし、この3年弱の期間で参議院の委員会で政府への質疑が行われたのは、残念ながらたった二回です。
委員会の運営は委員会で決めることであり、私もその一員ですので責任は感じておりますが、この点についてどのようにお感じになりますでしょうか。飯塚参考人、竹下参考人にそれぞれ、御意見をお聞かせください。
○参考人(飯塚耕一郎君)
率直に申し上げて、誠に寂しい限りだと思いますし、じゃ、その政府側は、まあ特別委員会だけが全てではないですけれども、救出のための、は政府の活動の一つなわけですから、そこは可能な限り進めていただきたいなと切に願うばかりです。
○参考人(竹下珠路君)
私も同じような思いでおりますけれども、やはりこの特別委員会が開かれないということは、日本政府が拉致問題を後に回している、最優先課題と言いながら最優先でないということの表れではないかなと思っております。
○舩後靖彦君
ありがとうございます。
続いて、飯塚参考人にお尋ねします。
歴代総理は、拉致、核、ミサイルを包括的に解決と繰り返しています。しかし、私どもとしては、拉致問題は核、ミサイルとは分け、日本独自外交で対応すべきと考えております。
飯塚参考人は、2022年3月5日付け産経新聞で、諸懸案から切り離し、拉致問題を単独で進めてほしい、そうでなければ、私たちが死んでも解決しないだろうとおっしゃっています。
冒頭にも少しお話しされておられましたが、この点について、是非もう少し詳しく、政府への要望を含めて御意見をお聞かせいただければ幸いです。
○参考人(飯塚耕一郎君)
日朝平壌宣言に基づいて核、ミサイル、拉致を解決していくという姿勢は、それに関してそのまま額面どおりに受け取ると、やっぱり同時並行的に議論を進めるという形に見受けられますし、じゃ、その中で核、ミサイルというのがいつ解決するんだというところは誰もが疑念を持たれるところだと思います。
つまり、その解決をすると言っていること自体は、北朝鮮が核を放棄する、若しくはその軍事的なミサイルを放棄するというその回答、若しくは他国の監視下に置かれるということですから、そんなことは何年たっても何十年たっても、下手すると何百年たっても解決しないんではないかというふうに考えております。そのような時間の、時間軸の核、ミサイルと拉致問題という時間軸を同時に考えたときには、やはりそこは同時に解決することは難しいと。
もし仮に政府側が日朝平壌宣言に基づいてその三つの問題を解決していくというスキームの中の一番最初に拉致問題を入れるということであるならば、我々はある程度理解はできるかなと。で、その先に、じゃ、100年たちました、200年たちました、拉致問題は最初の2年で解決したけど、100年後、200年後には核、ミサイルが解決しましたというのを日朝平壌宣言に基づいて解決をしていくという形が回答であるならば、我々はまあ理解できるのかなというふうな、ちょっとある程度辛辣な感じの意見になってしまいますが、そのように考えています。
○舩後靖彦君
ありがとうございます。
続いて、竹下参考人にお尋ねします。
私は、この委員会で政府に対して拉致問題の解決の定義について質問してきました。政府は被害者の数を正確に把握しているのか。政府が考える拉致問題の解決とは何を意味するのか。政府認定の拉致被害者の方の帰国なのか、それとも、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者の方を含めた全員の捜索、発見、帰国のことなのかということです。しかし、政府は、拉致被害者の安全確保に関わるものであることから、お答えは差し控えさせていただきたいと思いますと繰り返すばかりで、全く質問に答えません。
衆議院の委員会の参考人質疑で、特定失踪者問題調査会の村尾幹事長も、全ての拉致被害者を政府は確実に把握しているのでしょうかと疑問を述べておられます。
拉致問題の解決の定義や被害者の人数さえ明確に示そうとしない政府の態度についてどのようにお考えなのか、また、この点への要望について竹下参考人の御意見をお聞かせいただければ幸いです。
○参考人(竹下珠路君)
ありがとうございます。
全ての、全ての拉致被害者というのは本当に、本当に誰なのかということが、今、日本で誰も分かっていないのではないかという不安が大変大きいのです。
政府を、日本政府を、私たちの政府ですから、日本政府を私は信頼しております。頼りにしております。取り返してほしいと思っております。しかし、そこが本当に、先ほども申し述べましたけれども、拉致被害者の、全ての拉致被害者というのはどこまでなのかということをしっかりどれだけ把握しておられるのか不安でなりませんというのが正直なところです。
○舩後靖彦君
ありがとうございます。
最後に、それぞれ一言ずつ、政府に対し、あるいは私を含めた国会議員に対しおっしゃりたいことをお話しいただければ幸いです。
○参考人(飯塚耕一郎君)
先ほど申し上げたのが全てですので、特に大丈夫でございます。
ありがとうございます。
○参考人(竹下珠路君)
私も、ほとんど、実は、今日お話ししたい原稿はまだまだこの倍ほどあったのですが、削って削って削ってこれだけになりました。しかし、もう削ったのはうちへ置いてきてしまったものですから、先ほどの法律の、願わくばということだけをまた確認させていただいて、これはもう議員の先生方でなければできないことだと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○舩後靖彦君
飯塚参考人、竹下参考人、本日は貴重なお話を本当にありがとうございました。一刻も早い解決に向け、私も微力ながら取り組んでまいりたいと存じます。
質問を終わります。ありがとうございました。